今まで筑後地区という括りでこのようなセミナーが開催されていたのかどうか知りませんが、本日はとても興味深い内容だったので、仕事を少し早めに切り上げて出席してきました。(副院長)
コロナショックの影響で軒並み学会やセミナー、講習会が中止・延期・オンライン開催となる中、今セミナーは久留米シティプラザでリアルに行われ、行こうかどうか少し迷ったのですが対策もかなり入念に行われていましたので行くことにしました。実際に参加するだけの価値はありました。
題して、『骨粗鬆症治療における顎骨壊死 up to date』と銘打たれたセミナーで、久留米の医師会・歯科医師会・薬剤師会・(株)帝人ヘルスケアの共催でした。
プログラムに関しては下記の通り
特別講演I
「筑後エリアの顎骨壊死の現状と今後の課題」
演者:楠川仁悟教授(久留米大学 歯科口腔医療センター)
特別講演II
「骨粗鬆症患者に対する安全な歯科治療 ~抜歯の是非~」
演者:岸本裕充教授(兵庫医科大学 歯科口腔外科学講座)
いや、それにしてもBRONJ…現在ではARONJとかDRONJとか言いますが、この呼称に関しての詳しい説明もなされました…が最初に世界中の歯科医師を悩ませてからもう15年以上も経っていたんですね。
セミナー名にもあるように、正に今までの骨粗鬆症治療薬による顎骨壊死(~骨髄炎)に関するあらゆる知見がアップデートされる内容で、知らなかったことも多くあり、本当に聴講してきて良かったです。
私個人として、BRONJに関してこの10年以上とってきたスタンスや治療方針などの大部分を修正すべき時期に来ていると思わざるを得ませんでした。
もちろん、いくつかのケースも供覧させていただきましたが、この疾患に対して安心できる報告もあるとともに、今まで見たことのあるどの症例よりも衝撃的なケースもあり、あらためて怖い病気だと気を引き締める内容でもありました。
やはり近隣で多くの患者さんを診ている教授と、いわゆるポジション・ペーパー作成に関わった教授の意見は大いに参考になります。