古賀歯科医院 休診予定などのお知らせ

当院の休診や歯科医師の不在情報、歯科に関する意見や参加した勉強会の報告などについて書いています。ちなみに嫌いな言葉は『with コロナ』とか『コロナと共存』というスローガン。

歯科での院内感染

7/31現在、福岡県の新型コロナウイルス感染者数830人、累計感染者数1926人、本日の新規感染者数170人。国内全体では、累積感染者数37043人、新規感染者数が1579人という状況で、今まで感染者ゼロと言われていたここ朝倉市でも、今週になって4名の感染者、隣の筑前町でも初めての感染者が2人確認されています。

全国各地でも歯科診療所(歯科医院)での医療従事者が感染している模様です。これに関しては多くを語りたいところですが、大人の事情で最低限の事だけを書きたいと思います。

皆さん…つまり、患者さん達が知りたい、または気にしているのは結局のところ、『歯科に行くのは危ないのではないか』、『歯科医院に行くと、新型コロナウイルス感染症にかんせんしてしまうのではないだろうか』という事だろうと思います。私も医療関係者ではなく、いわゆる素人であれば同じように考えるだろうと思います。

今春の緊急事態宣言が出されていた頃、確かに全国各地の病院で院内感染が起きたり、老人介護施設などでも施設内感染が発生していました。一般の人達から見たら、病院も老健施設も歯科診療所も同じようなものでしょうし、それならやはり歯科でも院内感染が起きてもおかしくないと考えやすいと思います。

ただ、言葉の問題にもなるのですが、いわゆる院内感染というのは通常は『患者から医療従事者、あるいは医療従事者から患者、または患者から患者への感染』を言います。

以前から度々書いてきたように、歯科の医療従事者というのはとりわけ何十年も前から院内感染などの感染防止対策に、ほとんど自己負担で努めてきました。一般の人たちが想像しているように、何の対策も取らなければ歯科というのは院内感染が容易に発生してしまう環境だと思われるからこそ、私たちは国が大した補償もしてくれないながらもグローブやマスク、滅菌器具、消毒薬などを準備~消費して感染防止対策に努力しているのです。

よく思い出してください。皆さんが行く病院などで、以前から最も普段着からほど遠い格好をしているのは誰なのか。

ただ、歯科医療従事者だって勤務を外れれば普通の社会人です。コンビニや会社や役所で働いている人や学生が感染するように、歯科医療関係者だって診療所の外では感染することがありますよ。言い方を換えると、歯科診療所で働いているから感染したわけではなく、外部で感染した人がたまたま歯科医院で働いていたってだけのことです。

もちろん、スタッフが全員、気構えているというか、自分たちが医療の現場で仕事をしているという自覚がある人がほとんどのはずなので、そもそも外部でも感染しないように人一倍気を使っているはずですが、こればかりは事故に遭うような側面もありますから、絶対に感染しないなどとは言い切れません。

ちなみに、当院のスタッフもこの社会情勢にウンザリしつつも、感染防止対策に努めてもらって非常にありがたく思います。最もウンザリしているのは私自身かもしれませんが、そんなスタッフの頑張りと励ましのお蔭で何とか仕事が出来ています。

 

さて、小賢しいことを書き連ねましたが、要はこういう事です。

現時点で、国内では(実際には、外国でもそういう話を聞いたことはありませんが)…

歯科医院での新型コロナウイルス感染症の院内感染(患者から歯科医療スタッフへ、歯科医療スタッフから患者へ、患者から患者への感染)の報告例はありません。

これで、多少は安心していただけるでしょうか(^^;