古賀歯科医院 休診予定などのお知らせ

当院の休診や歯科医師の不在情報、歯科に関する意見や参加した勉強会の報告などについて書いています。ちなみに嫌いな言葉は『with コロナ』とか『コロナと共存』というスローガン。

マスク・・・しつこいようですが


ここ数日はテレビ・ニュースなどで、インフルエンザに対していかにマスクが信用できないものかが報道されるのを何度も目にしました。特に、使い捨てのサージカル・マスクに関しては予防効果なんて全くないと言いたげなほどの扱いです。
報道されている内容自体は、ほとんど正しいことばかりです。ただし、注意しておかないと、マスメディアにいいように誘導されてしまいます。
ごくごく簡単に少しだけ検証してみましょう。

  • そもそも、マスクは感染者がくしゃみや咳をした際に飛沫が周りに飛び散らないようにする効果が大きい。

→全くその通りです。特にサージカルマスクは、それが目的で作られているようなものです。

  • 実験でも分かっているが、マスクをしていても周囲の粉塵やウイルスなどを、完全どころかほとんど遮断することはできない。

→実験ではそうです。つまり、マスクと顔の境目の隙間からウイルスなどは侵入してきます。ただ、マスクをして呼吸をすると、空気はマスクの横や上、下からだけでなくマスク(不織布)を通して前面からも入ってきます。いや、むしろマスクの内面を口唇に接触させていれば、まず大部分の空気はマスク(不織布)というフィルターを通して、口〜喉(のど)〜肺・・・へと行き渡ります。もちろん、それでも100%のウイルス遮断率なんてことは期待してはいけませんよ。そもそも、大半のマスクにはそんな効果を謳っていませんし。
しかし、どのようなマスクであれ、マスクの縁を極力、顔にフィットさせたほうが良いという事は間違いありません。

  • 外国ではマスクは感染者がするもので、そうじゃない人はマスクなんて着けたがらないし、その必要もないと考えている。

→へぇ、そうですか。じゃぁ、その国では感染者はほとんど増えてないのでしょうかね。私の考えでは、感染していない人がマスクをしていない国では(あるいは『国でも』)、“順調に”患者数は増えているように思えますし、逆に日本では兵庫県の高校生が最初に感染するきっかけになったこと(インフルエンザを、その高校生に移した正体不明の人)が分かっていないのに、最初こそ見る見る内に患者数が増えていったものの、みんなが<ややパニック気味になって>マスク着用を心掛けてからは、患者数の増え方が落ち着いてきたように思えるのですよね。
当然ながら、大半の人がうがいや手洗いをおこなったり、人のたくさん集まるイベントが中止になったり、そういう場所にあえて行かなかったりという予防や自衛策も大きく効を奏しているのでしょうけど・・・。
以前も書きましたが、むしろ有害になるくらいなら止めたほうがいいのでしょうけど、マスクを着けたからと言って人体に害があるわけでもありませんし、外国がどうこう言うのはちょっと論点がずれているように思います。
(マスクが品薄になり、医療従事者などが困るという弊害は起こりますが、だからと言って「マスクをするのは無意味なので、する必要なんてないんですよー」と言わんばかりのメディアの論調には、インフルエンザ予防の観点からは同調しかねます。)

本当にマスコミって極端なんですよね。
インフルエンザ上陸をこれでもかと言わんばかりにショッキングに報道していたかと思えば、今度はマスクが各地で品薄なのを受けて、マスクはあたかも予防効果がないと受け取られかねない報道。(しかし、「予防効果がないと報道してたじゃないか!」と質すと、「いいえ、ないとは断言していません。」と言われるのがオチです。そして、それは確かにそうなのです。マスコミはあまり断定はしません。しかし、うまい言い方や映像を使って、視聴者の考えをある方向へと誘導します。)

        • ほかにもマスクの効果というのは存在するのですが、もうこの辺で、、、。

結論を言いますと、インフルエンザ予防においてマスクは無意味ではありません。ただ、きっちりと念を入れてうがいをしたり手洗いをしても絶対に感染しないとは言い切れないように、マスクをしても感染の完全予防なんて期待しちゃいけません。(もっと言えば、うがいや手洗いよりも、予防効果は低いでしょう。)だけど、個人のできることをやればやるほど感染の確率は下がるのですから、マスク着用なんていう手軽な方法は実行すべきです。

あ、そうそう、マスクの効用で補足です。
例えばアメリカなどでマスクをしていると、「あいつは感染者だ。」と思われることが多いみたいです。日本でそのようなことがあれば、後ろ指指されるのが嫌で、多分、自分が感染していると分かっててもマスクしない人が出てくると思います。でも、これだけ猫も杓子もマスクをしている状況だと、感染していたり、感染の恐れがあると分かっている人も妙な心配をせずに、堂々とマスクを着けることができますよね。
あるいは、実は感染してしまっているのだけど全く自覚していない人がいますよね。感染した人の大半は、最初はそうだったはずです。そのような人も、(自分はまさか感染しているとは思っていないから)予防目的でマスクをすれば、結果的に無自覚の期間中もいたずらに周りにウイルスをばら撒く機会や量が減ることになるでしょう。そういう意味でも、多くの人がマスクを着けることは有効だと思っています。

もう面倒になってきたので、余程の心境の変化や主張の転換がなければ、インフルエンザに関する書き込みは止めておきます。