古賀歯科医院 休診予定などのお知らせ

当院の休診や歯科医師の不在情報、歯科に関する意見や参加した勉強会の報告などについて書いています。ちなみに嫌いな言葉は『with コロナ』とか『コロナと共存』というスローガン。

八女筑後三師会学術講演会

八女筑後医師会館にて、『ビスホスホネート系製剤の投与を受けている患者さんの顎骨壊死』という演題で八女筑後三師会学術講演会が開催されましたので、出席させていただきました。(副院長
演者は、九州大学大学院歯学研究院口腔顎顔面病態学講座の中村誠司教授です。(しかし、どこの大学も最近の歯学部の講座・科は、なんでこんな風に無闇に長ったらしい名称なんでしょうか?自ら敷居を高くしている様な気がしますけどねぇ。)

また、本題に先駆けて、万有製薬株式会社から、骨粗鬆症治療薬「フォサマック錠35mg」の製品説明もありました。

さて、本題のBRONJ(Bisphosphonate Related Osteonecrosis of the Jaw:BP系薬剤関連顎骨壊死)についての講演なのですが、結論から言えば非常に素晴らしいものでした。わざわざ土曜の夕方を潰してまで、他所の三師会の講演に参加した甲斐がありました。
・・・もっと賞賛します。
年にいくつもの講演やセミナーに出席していますが、そのほとんどは(場合によっては経営的にという意味もありますし、またある場合によっては医学的にという意味もあったり、またあるときは倫理的に・・・というように、状況に応じて理由は様々ですが)"知っておいた方が良い"内容なのですが、今回のこの講演は、歯科医師として"知っておかなくてはならない"内容でした。

BRONJについて、一般の方にも比較的分かりやすい説明が掲載されているサイトを探してみました。


BRONJについては病気そのものが確認されてから日が浅く、おそらく私達歯科医師が最もそれについて認知しているものだと思われます。それとは逆に一般の方達の認知は乏しく、また医師の間でもまだまだ認知度がそう高くはないと思われ、だからこそ余計に歯科医師側は危機感を持って、この問題に対処する必要がある、と常々思っていました。
とは言え、この疾患に関する情報自体、まだ相当に少なく、なのにこの病気を発症するであろう患者さんは増えて行くばかり・・・。なので、他所の地区にまで行こうと思ったわけですが、本当に出席させてもらって良かったです。想像以上にこの症状は重篤な場合があり、問題は奥が深く、そう容易く解決するようでもないようです。しかしながら、今まではただ手を出せないだけで、傍観するしかなかっただけの症例でも、何らかの対応が出来たり、最新のガイドラインなども知る事が出来たのが幸いでした。

当院では、院長と共に、今までも待合室でBRONJを引き起こす可能性のある患者さんに対する注意書きを掲示したり、問診でも詳しく質していたつもりですが、今後は更にシビアに患者さんへの喚起を促し、問診もより詳しく行おうと思っています。