古賀歯科医院 休診予定などのお知らせ

当院の休診や歯科医師の不在情報、歯科に関する意見や参加した勉強会の報告などについて書いています。ちなみに嫌いな言葉は『with コロナ』とか『コロナと共存』というスローガン。

朝倉市小P連研修会

今日は大福小学校で開催された『朝倉市小学校PTA連合会研修会』に参加するため、診療は12:00で終わらせていただきました。

さて、研修会ですが、私は第2分科会に参加してきました。テーマとしては、「親子のふれあいを深めるとともに保護者間のコミュニケーションを図るPTA活動」と当たり障りのないものでしたし、その中で私が興味を惹かれたのは読書に関わる内容でした。しかし、助言者の一人である矢野俊次校長(三奈木小学校)の総括ともいえる発言が輝いていました。曰く、この学校だか分科会だか研修会には1本芯が通っている。それは“食”という芯である、と。
確かにそのあとに行われた講演は、『「すごい弁当力!〜人と自分を大切にする食〜」(九州大学 助教 佐藤剛史氏)』という正に食育に関するものでした。

この佐藤先生の講演も聞き応えのあるものでした。
食育というと、ともすれば栄養学に毛の生えたようなものだと勘違いされている感が否めませんが、実際は明治時代に提唱された歴史の長い分野で、個々の人生・心身に大きく影響を与える教育なのです。たまたま食に興味のあった私は20年位前にこの言葉や意義を知る機会があり、その後、10年少し前にこの言葉自体がメジャーになったものの、本当の意義があまり知られることなく現在までに至っていることが少し歯痒い状態でもありました。
けれど、時代とともに食育の本当の意味を分かりやすく知らしめる人材が着実に増えていることに非常に安堵しました。

さて、話を大福小学校に戻しますが、この学校は件の佐藤先生の指導(?)を得る機会があったらしく、しかもそれを実践されているようでした。ただでさえ、アレルギーの問題などで給食に関わるだけでも学校現場は大変なのに、更に踏み込んで食育を少しでも実践されているというのは非常に恐れ入ることです。この点だけでも、この地区の児童やその保護者は恵まれているなぁ、と思ったものです。
事実、朝倉市は県内では比較的むし歯の多い地区なのですが、その中にあって、今年度は福岡県学校歯科医会の主催する「よい歯の学校表彰」で見事表彰されることになっています。これも、食育の効果もあるのかなと思ってしまいました。

※ 学校でのフッ化物洗口実施に反対される方々は、この大福小学校の一例をとって、「ほら、だからフッ素なんて学校には不要なのだ。そんなものなくても、こうやって表彰されるくらいのむし歯罹患率で済むのだ。」と言われるかもしれませんが、そうではありません。
そもそも、今回の表彰は福岡県内での評価の結果であり、そもそも福岡県自体が全国的に見て対してむし歯が少ないわけではありません。その中で優れているからと言って(以下省略)。
第一、食育という食を扱う方法でさえ、確実に児童間の差は出てきます。
この格差を少しでも補える唯一の科学的な方法がフッ化物洗口なのです。
食育を各家庭で実践するより学校ぐるみで実践した方が確実に効果が上がります。同じようにフッ化物洗口も、全くしないよりは各家庭で実践した方がマシ、けれど各家庭で行うよりも学校で行った方がもっと効果が上がるのは言うまでもありません。