古賀歯科医院 休診予定などのお知らせ

当院の休診や歯科医師の不在情報、歯科に関する意見や参加した勉強会の報告などについて書いています。ちなみに嫌いな言葉は『with コロナ』とか『コロナと共存』というスローガン。

小児歯科医療における病ー診連携の重要性

午後3時から久留米歯科医師会館大ホールで、『小児歯科医療における病ー診連携の重要性』という演目で福岡県南地区歯科医学会が催されたので出席してきました。

毎年、福岡県南地区歯科医学会は開催されているのですが、御多分に漏れず新型コロナの影響で中止が続き、3年ぶりに開催されたものです。現在もピークアウトしかけているようには見えるものの、第8波の真っ只中ですので、換気もせず空気清浄器も設置していないような会場に行くのはどうかとも迷いましたが、予てから講師の岡先生には興味がありましたので行くことにしました。

講師の岡暁子先生(福岡歯科大学成長発達歯学講座成長小児歯科学分野教授)の噂は、同大学に通っている息子から聞いたり、大学や歯科医師会の会報で存じており、かなりアグレッシブな先生だなと思っていましたが、講演を聞いて、想像以上に素晴らしい先生だと感服しました。なお、私の方が何歳か年上みたいです、多分。

話は小児歯科に関して多岐に及び、先生自身も非常に勉強なのは言うまでもなく、何よりも知的好奇心が旺盛なのだと思いました。恐らくは色んな分野に興味を持ち、それによって得た新しい知見でそれまでの考えを柔軟に変更していくフレキシブルな姿勢は、教授というある意味上り詰めた役職の人にはなかなかできないことだと思います。そして、優れた女性教育者は物事を人に伝えるのにも非常に優れているというのが私の持論なのですが、この先生もまた伝える技術がとても上手く、講演中に何度も、「学生時代、こんな先生の講義を受けたら、どれだけ小児歯科に興味が持てただろう。」と考えたものです。

それはさておき、様々な症例紹介を一般論と共に、先生自身の考えも聞かせていただき、非常に示唆に富んだ講演でした。もちろん、私自身が認識していた古い小児歯科学をとてもアップデートしていただく機会になりましたし、これまであまりあらためて勉強してこなかった小児歯科の勉強もやり直そうというきっかけにもなりました。

あと、何度も口にされていた「大学に紹介してください。」という台詞は実は意外でした。口腔外科に関連した歯科疾患の場合は、言われなくてもそうすべきだと皆認識しているし、口腔外科の先生が講演などをする場合もその台詞を口にすることは多いのですが、小児歯科への紹介というと結構な難症例の場合に限るのだろうと思っていたからです。こういう風に言われると、大学病院の小児歯科への敷居が低くなって、私達も安心できます。

最後に、先生は小児歯科医が天職だと言われていましたが、正にそうでしょうし、何よりも多忙を極めておられるはずなのに、それでもなお小児歯科を楽しんでおられるように見えるところが頼もしく、尊敬の念すら抱いてしまいました。